数万年前の海底噴火から誕生した、島そのものがひとつの活火山である火山島「伊豆大島」。生きている地球の営みとその上で育まれた生き物や人々の暮らしとのつながりを学び楽しめる場所として、2010年に「日本ジオパーク」に認定されています。島の見どころのひとつ、山頂カルデラ内中央部に位置する三原山は、島民に“御神火様”と崇められてきたシンボル的存在。荒々しい火口や立ち昇る噴気、火口からあふれ出た溶岩流など、迫力ある噴火の痕跡を間近に見ながら、周囲をひと回りできる遊歩道が整備されています。その他、カルデラ内では、季節に応じてサクユリやオオシマツツジなど伊豆諸島ならではの花も楽しめます。
三原山の北東部には、噴火のたびに降り積もる火山灰や溶岩の粒(スコリア)に覆われた「裏砂漠」が広がっています。強い風によって植物の種や芽生えが吹き飛ばされ、一面真っ黒に保たれているこの風景は、むき出しの地球そのもの。しかし、遠くに目を向けると、そんな苛酷な環境下でも次第に緑が広がり、植生がたくましく回復していく姿がうかがえます。まさに地球のパワーが感じられる場所。生きている地球のダイナミズムと、その上で紡がれた生命の壮大な物語をじっくり味わいたい!という人は「伊豆大島ジオパーク認定ジオガイド」によるガイドサービスを利用するのがおすすめ。